円柱状波面 (Sylindrical Wavefront) の現象において大事なのは、個々のユニット構成と隣接キャビネットの正確なカップリングにあります。この原則を理解するには、ヘイル博士とアーバン教授がAESで発表した研究結果の中の二つの鍵となるポイントを要約してみるのが一番です。
* N個のまったく同一な音源を組んで作った平坦で均等なアレーは、以下の条件のうちの一つが満たされていれば、同じ形状の単独の音源と同じ事です。
a) 波長はアレーのステップよりも大きい。
{1}(f <1/3ステップ)
b) アレーに占める割合は?
(各音源がフラットで位相が合っていると仮定して)80%以上。
(つまり放射源の総面積は少なくともアレー総面積の80%に
等しくなくてはならない。)
V-DOSCシステムはこの両方の条件を満たしています。
二つのV-DOSCユニットの中心間の距離は、低域で0.45m、中域で0.22mです。
a)の基準に従って考えると、低域のカップリングは730Hzよりも下の周波数であれば全く問題はなく、中域のカップリングは1460Hzより下の周波数であれば全く問題なくありません。
V-DOSCのクロスオーバー周波数は200Hzと1300Hzに設定されているので、a)の基準は満たされています。
高域のカップリングは、b)の基準を満たすリボン型のフラットで位相の正しい波面を作るDOSCウェーブガイドの二つの出力エリアの端と端を合わせて垂直に配列することで行っています。
このように1台のV-DOSCキャビネットは、まったく同一のキャビネットで構成される大きなアレーの一部分として設計されています。
ラインアレーを構築するために二つの標準的な構成のカップリングが考えられます。一つ目の構成は、4台かそれ以上のエンクロジャーの単純なスタックです。これは特にロングスローに適しています。このシステムは単一の純粋な円柱状ウェーブジェネレーターとして機能します。この“カップリングされた”スタックは、大型のアリーナタイプの会場で、ラインアレーのトップレイヤーとして組み込まれるのが標準的な使い方です。 |